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 Sep 14,2018

■谷崎ワールド

 「猫と庄造と二人のおんな」読了。谷崎ワールドにはどうしてもご奉仕するM男と女王様のイメージがつきまといます。今回の女王様は猫でした。

これ、1950年代に映画化されたことは知っていたので、香川京子さんはどちらの役だったのだろうと読みながらずっと思っていましたが、後妻に入る福子が香川京子さんで、追い出される品子が山田五十鈴さんだったようです。また、映画で出てくるというふたりのバトルシーンは小説にはありません。香川さんがこういうビッチっぽい役をやるのは、「モスラ」の新聞社のカメラマン役ぐらいめずらしいと思います。残念ながら、DVD化されていないようです。

これに触発されて大昔に読んだ「春琴抄」ももう一回読み直してみましたが、お琴がこんなにわがままで暴力的だったとは記憶していませんでした。近松とはまた異なる凄みがありますが、このお琴と佐助が近松のおさんと茂兵衛の主従関係にやや重なりました。足フェチの描写も含めて。

 

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