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 Sep 21,2019

■ガロ「美しすぎて」

 1972年にリリースされたガロの3枚目のシングル。

1枚目、2枚目のメンバーの作がヒットとならず、この3枚目でいわゆる職業作家が起用されました。当初は村井邦彦氏作曲の「美しすぎて」がA面でしたが、火が付いたのはカップリング曲、すぎやまこういち氏作曲の「学生街の喫茶店」で、急遽、コロムビアレコードがA面とB面を入れ替えたというのは良く知られている話です。

この2曲、どちらも一線で活躍されている作家ならではのクオリティだと思いますが、村井さんの「美しすぎて」は今聴くとかなり味わい深い曲です。バカラック風のテイストで、サビ前に2回の転調が入るという斬新な作り。しかもサビの頭、主メロはナインスに行っています。おそらく村井氏は歌謡曲とそうでないジャンルとの区分けを転調とメージャー・セブンス・コードやナインスで表したのでしょう。ユーミン登場以前の音楽界でこれほど歌謡曲というカテゴリーからはみだした曲を送り出していた村井邦彦氏は従来の職業作家のイメージを塗り替えた先駆者なのだと思います。


 

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