■「ハード・デイズ・ナイト」の頭コード考
諸説あり、検索すると色々出てくるやつです。
昔はGsus4(on
D)だと信じて疑わなかったのですが、聴けば聴くほどどこかが違う。で、まずはライブ映像からの検証。1965年パリ公演にジョンの手元がはっきりと写っている映像があり、これでは下記のフォーム。
6弦Fはシェイクハンドで親指を使い上から押さえるフォームですが、これ歌が始まって3小節目の頭のコードと同じです。1964年のハリウッドボウル公演で12弦のジョージの手元がかろうじて写っている映像もあり、どうやら同じコードを弾いている模様。ポールのベースがDに行っているのはキーGのこの曲のドミナントがDなので、頭の歌のきっかけを作っているのでしょう。このコードをドミナントと解釈すれば、D7 ♯9
11ですが、おそらくビートルズはあまりそんなことは気にせず、歌中のキモのコードを頭にしようぜということだったの思われます。ちなみに曲最後の12弦ティラリラ・ティラリラ(ソドラソ・ファドラファ)もこのフォーム(6弦Fはなし)で1弦をGとFに動かすだけです。
ただし、本家のビートルズがやってもライブではこのイントロ、全然レコードと同じ様には聴こえません。なにかスカスカ感が残るのです。おそらくレコードではピアノが重要な役目をしているのだと。低音部でガーンと鳴って、ボワーンと聴こえるあの感じはピアノの低音からの強い倍音成分や、ピアノの他の弦が鳴っている感じがします。それがギターの低音部とぶつかったりしてあのボワーンを形成していると思われます。
そして、そのボワーン感をギターで再現したくて、オリジナルのコード以外の様々な見解が生まれたのだと思うのですよ。ギター単体ではGsus4のほうがレコードに近い気がするのはピアノの低音のGをギターの低音弦が補うからでしょうか。
ちなみに近年のポールのライブで6弦の人は上のフォームなのですが、12弦の人は下記のフォームを弾いているようです。
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