■棚からひとつかみ
ゴールデンウイークにお勧めできる本を5冊選んでみました。
「古本綺譚」 出久根達郎
古書店の店主であった著者のエッセイ集。知っているようで知らない古書店の裏側やユニークな客など。
「天才」 石原慎太郎
政治家時代には対立していた著者が田中角栄を一人称で語る作。田中角栄のような良い意味でも悪い意味でもはみ出した政治家が今いたらどのような采配を振るっていたか。
「真贋」 松本健一
幕末の豪商 中居屋重兵衛に関しての経歴が作為的な捏造ではないかとする仮説。ひとつひとつ丹念に調べていく様が実にスリリングで推理小説のよう。
「春琴抄」 谷崎潤一郎 言わずと知れた谷崎の代表作。アマゾンのキンドルならタダ。何度も映画化されているので映画から入るのもあり。
「方丈記(全)」 武田友宏編
平安時代末期、鴨長明の作。原文は読みにくいが、このビギナーズ・クラシックのシリーズは訳が併記されていて読みやすい。地震、大火、台風、洪水、飢饉、疫病などが襲い、壊滅状態の都で無常観を深めていく長明の生き方。
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