■TEXT

 Oct 19,2020

■古いレコード

 親戚の家の物置から出てきたレコードの続き。アルバムは100枚、シングルが50枚ぐらいあったでしょうか。親戚に放送関係の人がいて、その人のレコードが半分ぐらい混ざっているようです。1950年代から60年代のラテンとかボサノバ系が多い印象。

その中でも、これは面白いと思ったのが「DRUM-SCOPE」(1957年)という原信夫とシャープス&フラッツが当時の3大ドラマー、白木秀雄、ジョージ川口、ジミー竹内をフューチャーしたアルバム。当時のジャズ・ブームの中の企画盤のようです。

石原裕次郎さんがドラマーに扮した日活映画「嵐を呼ぶ男」も1957年の作品。裕次郎さんにドラムの指導をしたのは白木秀雄さんでした。ドラマーはミュージシャンの中でも花形の存在だったのでしょう。

もうひとつ気になったのはフランク永井「東京カチート」(1960年)。カチートってなんだろうと思って調べると、ナット・キング・コールに「カチート」(1958年)という曲があり、そこから持ってきたものらしいです。ラテンっぽいアレンジもよく似ています。

「カチート」は「ベサメ・ムーチョ」の作者コンスエロ・ヴェラスケスが1957年に発表したラテンの曲で、スペイン語で「坊や」という意味とのこと。このあたりが1960年代に台頭してくる日本のムード歌謡(ロス・プリモスとか)の原型でしょうか。そういわれれば、「ベサメ・ムーチョ」とムード歌謡とは共通点があるかもしれません。ロス・プリモスはスペイン語なのでラテン系、マヒナスターズはハワイ語なのでハワイアン系がルーツということなのでしょう。日本の歌謡曲も世界中の色々な音楽のエッセンスを吸収して独自のカラーになっていったというわけです。

 

■■■■■■■■ kishi masayuki on the web


<<   TEXT MENU   >>

HOME