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■Back To The Street

 
 
「Back To The Street」は言うまでもなく佐野元春さんのデビュー・アルバムですが、ひょっとすると和モノで
5本の指に入るほど好きなアルバムかもしれません。私は音楽を聴く時にすぐに分析モードに入ってしまう悪い
癖があるのですが、このアルバムは今でもそうならないのです。つまり頭より先に心が反応してしまう数少ない
アルバムなのですな。

このアルバムが出た直後に横浜の県民ホールでライブがあるとの告知が出たのですが、なぜかそれは中止に
なり、学生だった私が初めて佐野さんのライブを見たのは元町にあった「舶来屋」というアメリカン・スタイルのサ
ンドイッチなどを出す店だったのです。もちろん普段はライブなどをやる場所ではないので、ステージもなく、店の
奥に無理やり楽器をセッティングして行われたライブでした。その店に隣接して産婦人科があって、佐野さんは
「その病院からクレームがくるので、今日はロックンロールはできないんだ」とMCで言われたことをよく覚えてい
ます。観客は50人ほどだったでしょうか。

<<1990年頃の「舶来屋」のエントランス。
トレイを持って好きなサンドイッチをオーダーする
セルフ・サービスの店でした。

       当時の「舶来屋」のマッチです。>>


それから1年後ぐらいに私は音楽の仕事を始め、あるCMの仕事で佐野さんと同じスタジオで録音するという機
会がありました。当時はCM用プレゼンテーションのデモ・テープを作るために、各アーティストが同じスタジオで
順番に録音するというケースがあったのです。そこで、私は佐野さんの歌入れの現場に立ち会うという幸運な
経験をしました。おそらく不本意であったCMの仕事だというのに、ステップを踏みながら歌入れをしていた佐野
さんの印象は強烈なものでした。私はこの時の佐野さんの曲を今でも覚えています。ちなみに採用になったの
は私のでも、佐野さんの作品でもなかったのですが・・・。

佐野さんがその後、大ブレークして同じ横浜でもスタジアムでコンサートをするようになるのは1987年のことで
した。

写真左が佐野元春「Back To The Street」(1980年)、写真右が1990年に私が撮影した同じ場所。
横浜の県民ホールの裏にあったこの「Indian Merchant Association Of Yokohama」も今はありません。

                                                          2002/6/16

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