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 Sep 1,2021

■DXの時代

 1980年代の半ばからヤマハのシンセDX7の音が世界的に流行しました。当時はあのキラキラとしたエレピの音が入っていなければ時代遅れと思われるぐらい一世を風靡しました。デザインも回すようなノブは一切なく、ノブやスイッチだらけの初期のシンセに比べると、いかにも近未来的でした。

私もその時代は複数のDX音源を重ねてエレピの定番としたり、モーグ系のシンセベースにアタックを足す目的で愛用していました。なので、今、プラグイン音源で必ず入っているDX系のエレピの音を聴くと、すごく懐かしいです。ちなみにDXやTX(DXのモジュール)を使っていた時にパラメーターをいじって音色を作ったことは一度もなかったのですが、それはプリセットのクオリティが高く、そのままで十分使えたからでした。

DXで思い出すのは編曲の清水信之さん。清水さんはQX3(1980年代に登場したヤマハのシーケンサー。今でも編曲の坂本昌之さんが愛用している名機)にDX100(DXシリーズのミニ鍵盤モデル)を使って打ち込んでいた思うのですが、DXのソリッドな音と生の音のブレンド具合が絶妙で、ブラスのパートなんてものすごく良い音でした。

プラグイン音源のDX7風のエレピの音(音が出ます。曲は「ニューヨーク・シティ・ノーサイド」です。笑)


 

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