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 Oct 8,2021

■フライングソーサーの思い出

 引っ越しか何かの時に処分して後悔していた本がありました。それは1979年に出版されたアングルの「街と地図の大特集」という別冊。この時代にあった店の事を知りたいと思った時に案外ネットには情報がなく、あの本があればと何度も思っていたのです。ところが、この本が2018年に復刻されていたのを知り、早速入手しました。

私がもう一度見たいと思っていたマップは主に渋谷と横浜だったのですが、よく行った店の場所や、移転した時系列がもうあやふやになっていて、それを確認したかったのです。

横浜に限定して言えば、1979年、元町プラザ2Fにはよく通ったレコード店フライングソーサーがありました。フライングソーサーはその後、石川町の駅側に移転して、レンタルレコード店になったと記憶しています。撤退後、その店舗がそのまま居抜きでバナナレコードになったんじゃなかったかな。ちなみにタワーレコードが元町に出来たのは1981年らしいので、いち早く輸入盤を扱っていたフライングソーサーは先見の明がありました。

加えて、なぜこのレコード店だけよく覚えているかと言えば、レコード盤が飛んでるようなロゴやレコードを入れる袋に至るまで、そのあか抜け具合がいかにも東京のそれだったのです。横浜の代表的なレコード店といえば伊勢佐木町のハマ楽器かヨコチクで、演歌歌手がキャンペーンで店頭で歌うような風情がありました。私はその風情も嫌いではありませんが、そんな中でフライングソーサーはまさに東京の最先端スポットのムードがあったのです。


 

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