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 Oct 28,2021

■1941年のブギウギ

 先日、youtubeで'Boogie Woogie Bugle Boy'という曲を発見したのですが、このオリジナルがアンドリューズ・シスターズです。

この曲、なんと1941年の曲(日米開戦の年)。テンポの早いジャズのブギーに3声のコーラスという作りですが、このコーラスの譜面がネットにあったので、ちょっと目を通してみると、主メロは楽器メロのような感じで、それの上下に結構動くハーモニーが付いている感じです。上のパートは音が飛んでいるので難しそうですが、特に音をぶつけているわけではないのにジャズっぽく聴こえるのは、主メロにブルーノートとかフラット5th、シャープ5thが入っているからでしょうか。

それにしても、こういうヴォイシングの3声コーラスは今では忘れられたメソッドのひとつかもしれません。CMでもかつては女性3声のコーラスで最初から最後まで行くというパターンが結構あったような気がしますし、テレビの歌番組のオケには女性のコーラス隊がいたような気がします。

ちなみに服部良一さんはこの曲をイメージして「買物ブギー」(笠置シズ子 1950年)を書いたらしいです。黒澤映画「酔いどれ天使」(1948年)にも同じく服部さん作曲の「ジャングル・ブギー」という曲が登場しますが、どちらもマイナー調というのがいかにも日本的なブギの解釈です。そういえば、服部さんの妹さんの服部富子さんが出演している戦前の映画「鴛鴦歌合戦」(1939年)のオープニングにマイナー・ブギが登場しますが、その曲を作ったのは服部さん門下の大久保徳二郎という人だそう。この曲、途中で和音階みたいのが出てきてすごく凝っている曲です。


 

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