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■すごいギタリスト 私の一枚目のアルバムの多くの曲でギターをプレイしているのが今剛さんです。 当時(1982年頃)、ギターの録音はライン録音という方法が主流で、ギタリストはアンプを使わないでミキシング ルームのほうで弾くケースが多かったのですな。つまり、ギタリストのプレイをかなり間近で見ることができたの です。今さんは当時、シェクターのストラトをメインで使っていて、サブでBCリッチとかハグストローム(ジェイ・グ レイドンと同型)を持ってきていたような記憶があります。トムアンダーソンももしかしたら使っていたかもしれま せんが、記憶があいまいです。 プリアンプはインターサウンドで、レキシコンのハーモナイザーとヤマハのアナログ・ディレイがラックに入ってい ました(これはアルバム「スタジオ・キャット」のジャケに写っています)。TCエレクトロニクスのパラメトリック・イコ ライザーも入っていたかもしれません。コンパクト・エフェクターはロスのコンプとマクソンのコーラス(キャラメルスイッチのCS-505)、グッドリッチのボリューム・ペダル(無音状態でのノイズを無くすためにダビングの箇所の寸 前でボリュームを上げ、終わるとすぐ下げる用)、PMGのバッファーアンプだったと思います。 まず、驚いたのはカッティングとかの生音がすごく大きいことでした。弦も太いゲージでそれを叩きつける ように弾いているのですな。モニターでかなり大きな音を出しているにもかかわらず、その生音がバキバキ聞こ えてくるほどの強力なピッキングでした。 もうひとつ驚いたのは、ギターを変えてもトーンがほとんど変わらないのですな。それはおそらくあの強力なピッ キングによるものだと思われるのですが、ストラト系であろうが、レスポール系であろうが今さんが弾くと同じよう なトーンになるんですね。 いやーこれは目からウロコでしたよ。一流のスタジオ・プレイヤーはもうサウンドから弾き方まで今まで見てきたものとはまるで別世界だと。 その後、今さんとはあるアルバムの完成打ち上げで食事をしたことがありましたが、その席を主催したのはなん と筒美京平さんだったのですよ。今さんと京平さんが同席してるって意外な感じするでしょ?
2003/4/7 |
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