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 Feb 12,2023

■日本郵船歴史博物館

 海岸通りの日本郵船歴史博物館が大規模改修のために当分休館する(発表では2026年まで)とのことなので行ってきました。中に入ったのは2017年以来。

企画展は日本郵船横浜支店として建てられたこの建物に焦点を当てたもので、通常は公開されていない2階や3階の写真が展示されていました。戦後、GHQの接収時代に使われていたというドアの実物や、焼野原になったこのあたりにこの建物がぽつんと残っている写真もありました。同時期に接収されていた箱根の富士屋ホテルの文献で、アメリカ人はなんでも白く塗ってしまうので、それをやめさせるのに一苦労したと読んだことがありますが、ここではそういうことはなかったのでしょうか。

いずれにせよ、戦前に建てられた建物が最新のビルと比べても全く遜色ないのですから、戦前の建築の美意識やそれを建てた人々の英知には驚かされます。そして、ここの静かで薄暗い内部は戦前、華やかに活躍した大型客船などが戦中に徴用され、無残に沈められてしまった鎮魂の場所なのかもしれません。



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