■悲しき願い
日本でもカバーがヒットした「悲しき願い」(Don't Let Me be Misunderstood)はずっと1965年のアニマルズがオリジナルだと思っていましたが、実はその前年にリリースされたニーナ・シモンがオリジナルだと初めて知りました。
シモンのヴァージョンはスローテンポのバラードですが、この曲のポテンシャルに目を付け、テンポを上げ、ヘビーに仕立てたアニマルズに先見の明があったということなのでしょう。ちなみにアニマルズの印象的なイントロはシモンのヴァージョンの最後の方に出てくるストリングスのフレーズを発展させたものです。
シモンといえば、まだ人種差別が色濃く残る1960年代のアメリカで、差別と正面から戦った人。なにかのドキュメント映画(「サマー・オブ・ソウル」だったかも)で初めて黒人として大学に入学した学生が、シモンの歌を聴いて勇気づけられたと語っていたのをよく覚えています。
ちなみに最近観た「Mr.ノーバディ」(2021年)という映画で頭と終わりの方にシモンのヴァージョンが使われていました。
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