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■日本語タイトル 昔は多くの洋楽曲や洋楽アルバムに日本語のタイトルがつけられていましたな。 だいたいは直訳というケースや、「悲しき〜」、「涙の〜」、「夢の〜」、「恋の〜」などの定型でしたが、時には 詞やアルバムの内容を吟味した上での素晴らしいタイトルがつけられている例もありました。例えば、「ジョン の魂」とか「胸いっぱいの愛を」なんていうのは、私は今でも原題よりこのタイトルのほうがピンと来ます。Tレッ クスの「電気の武者」なんていうのもほとんど直訳だったけれども好きでした。あれは多くの場合、日本の洋楽 担当のスタッフが考えていたらしいのですが、1960年代前半は歌詞そのものにも日本語詞がつけられていて、 有名な漣健児氏などがつけていたケースも少なからず存在するらしいです。 ビートルズで「I Want To Hold Your Hand」という曲があります。直訳すれば「君と手をつなぎたい」という意味で すが、この詞に対してジェファーソン・エアプレインのグレース・スリックが「いい大人が手をつなぎたいなんてリ アリティがなかった」と述べたインタビューを見たことがあります。確かにハンブルク時代のワイルドな悪行三昧 の(笑)ジョンを思い出すと、カマトト指数(笑)は高いと思われます。これの日本タイトルはご存知のように「抱きし めたい」ですが、よりストレートな意味を持たせた意訳は名タイトルですな。 また、「A Hard Day's Night」は「ビートルズがやってくるヤァ!ヤァ!ヤァ!」で、これは当時、同名映画の配給 会社にいたM氏がつけたということですが、なんでもこの映画の前に「The Beatles Come To Town」という短編 映画があって、それと混同してつけられてしまったということです。 最後にビートルズの中であんまりだと思った日本語タイトルは原題「This Boy」の「こいつ」でした。
2003/5/23 |
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