■東海道四谷怪談
以前、ここのテキストにも書きましたが、子供の頃に怪獣映画と併映で観た映画で強い印象を残しながら、どうしてもその映画のタイトルが分からない映画がありました。
覚えていることは以下のようなもの。武士がいる時代の怪談もの。男女が同衾するシーン。暗い部屋の中で侍が女の幽霊を斬りまくるシーン。たぶんカラー。
で、先日、ふと思い出して、その侍は天知茂だったような気がしたのです。で、行き当たったのは中川信夫監督の「東海道四谷怪談」(新東宝
1959年)。早速、観てみると、思い当たるシーンや、侍が幽霊を斬りまくるシーンもあるので、これのような気がします。
それにしても、驚いたのは、この映画がキワモノのB級ホラー映画という感じではなく、相当丁寧に作られていることで、怪談映画の最高傑作という評価もあるとのこと。また、これを観た三島由紀夫が舞台の脚本を手掛けた「黒蜥蜴」で天知を起用したという話もあるとか。日本映画全盛期の底力を見るような気がしました。
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