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February 23, 2005 

■最近読んだ2冊

 
ずは、「本牧ドール」(高橋咲 2003年)。
これは小説仕立てですが、少々の想像力とともに、ほとんど実話として読みました。1970年代初頭の本牧、そ
の中にいなければ決して知ることのできなかったディープな世界です。飯倉の「キャンティ」界隈が当時の最先
端の「表の」文化圏だったとすれば、本牧はまさにアウトサイダーな裏文化圏、けれど唯一東京と渡り合える地
域だったのではないでしょうか。

そして、「天使はブルースを歌う」(山崎洋子 1999年)。
こちらはノンフィクションのルポルタージュ仕立て。本牧出身のバンド、ゴールデンカップスのバイオグラフィー、ナ
ウ&ゼンとしても興味深いですが、終戦直後の横浜で起こったという実にヘビーな話が心に残ります。テレビな
どではおそらく取り上げられない話題だけに本というメディアの存在価値を再確認させてくれます。

<<これはいつかもう一度読みたく
なる気がします。


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