■退化する装置
エレキベースといえばフェンダーですが、よく見るとフェンダー・ベースには今はもう使われなくなった「遺跡」
のようなモノがたくさんついています。
たまたま今、家にプレシジョンベースがあるのでこれをサンプルにすると、まずはヘッドの裏に付いているスト
ラップ・ピン。これはアップライトベースのように楽器を立てて演奏することを想定して付けられたものらしいので
すが、エレキベースを立てて演奏する人を私は見たことはありません(ビル・ワイマンは惜しい・笑)
次にピックガード上のフィンガー・レスト。これは本来、親指で弾く際に他の指を置いておくためのものですが、
現在、ほとんどのベースプレイヤーは2フィンガーかピック弾きなので、まず使用しないものとなっています。ち
なみにスラップ以外で親指を使うプレイヤーとしてはいかりや長介氏が有名で、この奏法は「長介弾き」などと
も呼ばれているらしいです。細野晴臣氏もたまに親指で弾いていたと記憶しています。
あとは付いていてもほとんどとりはずされるピックアップ・フェンスとか、ブリッジ・カバーとか。
これらは全て奏法の変化とともに、退化していらなくなってしまった装置です。でも、実は50年前に生まれた電
気楽器がほとんどそのままの形で現在も使われていることの方が驚きなのでしょうね。
と書いていたら、またひとつの疑問が・・・。ベースのパッシブのトーンコントロールって使うプレイヤーってい
るんでしょうかね?
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<<ヘッド裏のストラップ・ピン。これを使用しているプレイヤーを見たこと
はありません。 |
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