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May 24, 2005 

■ハードなアメリカン

 
20代の頃、SCHOTT社のボマージャケットを持っていたのですよ。何の皮だか分からないのですが、とにかく
とても重くて、着心地はまるで段ボールか拘束服。一日着てると肩が凝るという代物でした。3年ぐらい着れば
馴染んだのかもしれませんが、とてもそんな気にはなれずに誰かにあげてしまいました。

考えてみると、アメリカの衣料には身につける人にある種の忍耐を強いるこの手のブツが少なからずあります
な。ジーンズだって真新しいものはお世辞にも快適とは言いがたいし、極めつけはブーツですよ。新しいやつは
まるで足に喧嘩を売っているのか、またはなにかのプレイか?と言いたくなるほどの履き心地。

ところが、ヨーロッパ傾向の服ばかりに執心していると、時としてあの無骨
さも悪くないなと思うことがあります。流行の流れの速いワンシーズン限り
の服とは対照的に、数年かけて自分だけに合う服や靴に馴染ませていく
という価値観はとてもよく理解できるし、共感できるものです。





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