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Sep 15, 2005 

■イージーリスニング

 
調べ物があって、古いレコードカタログを見ていて気付いたこと。

1965年頃のカタログで今と決定的に違うのはいわゆるイージーリスニング系のレコードがすごく多いことです。
イージーリスニングというのはスタンダート曲などを○○オーケストラとか××ストリングスとかがインストで演奏
しているもので、当時はムードミュージックなどとも呼ばれていました。演奏している音楽のジャンルはポップス、
ジャズ、シャンソン、ラテン、タンゴ、ルンバなど非常に多岐に渡っています。

そして、このイージーリスニングのレコードにほぼ共通しているのは、ジャケットにイメージフォトのような風景と
か女性の写真が使用されていること。これは演奏者のビジュアルやクレジットはあまり重要視されず、あくまで
音楽のみというラジオ的なスタンスで制作されたものによるものでしょうか。多くのレコードでは匿名性が高い、
流動的なスタジオミュージシャンが演奏しているケースもたくさんあったのだと思われます。

<<イギリスのジャズ・トランペット奏者、ケニー・ボールの「日本の休日」。
収録曲は「夕やけ小やけ」、「月の砂漠」、「七つの子」など日本の伝統曲。
この芸者さん(?)は外国人から見た日本の印象ってところでしょうか?
ケニー・ボールは坂本九さんの「上を向いて歩こう」をアメリカでヒットする以前にカバーし
て、イギリスでヒットさせた人としても有名です。
<<コロムビア・シンフォネットの「夜明けの歌」。ヨーロッパ的な洗練されたデザインです。
内容はトランペットによる「こんにちは赤ちゃん」とか「愛と死をみつめて」とかをカバーした
もののようです。この時代はトランペットがリードをとっているイージーリスニングも多いで
す。


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