■藤田嗣治展
待望だった藤田嗣治展に行ってきました。これだけの作品を一同に集めた展覧会を東京で見ることができる
とは、全く幸運としか言いようがありません。
これまで画集でしか見たことのない作品の実物はやはり言い知れぬ力があります。画集は絵の大きさがイメー
ジしにくいのですが、有名な「猫(闘争)」が思っていたより小さい作品なのには驚きました。インパクトのある作
品は頭の中で大きな作品だと勝手に思い込んでいるのですね。また「Y婦人の肖像」のバックのグリーンは、私
が藤田にのめり込むきっかけを作った猫の絵の背景のグリーンでした。
戦争画の展示も画期的でした。もしかすると藤田の最高傑作は戦争画なのかもしれません。これは本当に胸に
迫るものがあります。戦争中に公開されたというこれらの絵を当時の戦時下の人たちはどんな気持ちで見てい
たのでしょうか。戦意を高揚させるために軍の依頼で描かれたこれらの絵は、今の感覚で見れば決して勇まし
い感じや高揚感を与えるものではなく、悲しげな暗いトーンとともに心を締め付けてくるようです。「サイパン島同
胞巨節を全うす」などはほとんど宗教画に近いと感じました。
思うのは、我々は藤田の生きた時代にはなかった様々なもの、例えばCGが作り出す恐ろしくリアルな架空の
世界などを知っているにもかかわらず、相変わらずこの古い表現方法である「油絵」というものにこれほどまで
に感銘を受けるということ。やはりメディアの変化などは表層に過ぎないのだなと改めて思う次第。
あー、なんか今夜あたりすごい夢見そうだ(笑)。
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<<東京国立近代美術館。周辺ではまだ桜を見ることができました。
平日だというのに結構な人出。テレビの特集番組の影響でしょうか。 |
で、テンションが上がりまくって、銀座へ直行。スペイン料理店へ。
左から、スペイン産の太いアスパラガス。イベリコ豚の網焼き。赤ピーマンの包みなんとか(笑)イカスミソース。
素晴らしいアートに、おいしい料理。充実した一日でした。
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