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Jun 3, 2006 

■ヤマハCP300とCP33のインプレッション

 
マハの新しいデジタルピアノCP300とCP33を触ってきましたのでその感想を。

まず上位機種CP300について。プロでも愛用者の多かったP250の後継機種ですな。P250から引き継いだスピ
ーカー内蔵というコンセプトは◎。パワーを入れてすぐに音が出るというのは案外大事なことです。デジピのトー
ンで差が出るのは低音域の透明度だと思っているのですが、さすがにここまで高品位のサンプリングだと文句
のつけようがありません。これをスタジオで録音したら、生ピアノと聞き分けられる人はあまりいないのではと思
われます。サンプリングはカタログによると、3レベルダイナミックステレオサンプリング、つまり3レイヤー。一音
に対して3種類のサンプリングがされているということ。この規格をヤマハでは高品位音源と呼ぶらしいです。
タッチはヤマハ独特のやや重めの自然なものです。ただ、プロユースというわりには相変わらず余計なもの〜
例えば使わない音色とか、シーケンサーとか、XG音源などがちょっとコントロールパネルを煩雑にしてしまって
いるのが前作P250と同様、惜しい点です。まあ、このあたりはオマケ機能で、この親切加減が日本的と言えば
そうなのですが。

次に機能を絞り込んだCP33。こちらはCP300の廉価版というよりは、P90の後継機種です。この価格帯でこれ
ほど透明感のあるグランドピアノの音色、リアルなタッチはちょっと驚きました。3レイヤーもCP300と同じ。この
トーンは使えます。ただし、重量18kgは一人で運べない重さではありませんが、やはり重いです。

総括するとCP300は今後、プロのステージなどでスタンダードな機種となる可能性はかなり高そうです。ちなみ
に我々の世代にとって「CP」といえば、往年の名器エレクトリックグランドCP70/80を指すのですが、それがこの
デジピに置き換えられる日も近いのかもしれません。CP33に関しては圧倒的なコストパフォーマンスによって幅
広い需要があるモデルだと感じました。

<<CP300。やはりヤマハはこういうもの
を作らせると隙がないです。
DTMなどの入力ツールとしてこのクラスが
あるとかなり楽器を演奏しているという気
になれることでしょう。

岸正之ホームページ kishi masayuki on the web


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