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Jul 15, 2006 

■真夏のギター管理

 
ターの管理についての話です。

ギターの塗装には大きく分けてラッカー塗装とポリ系塗装の2種類があり、前者は皮膜が非常にデリケートであ
るために慎重な扱いをする必要があることはギターマニアにとっては周知のこと。慎重な扱いとは急激な温度
変化を与えないとか、ラッカー面とプラスティック、ゴム、ビニールなど化学系素材を接触させてはいけないという
ことですが、実はそれだけでは不十分なのです。

高温多湿のこの時期、ラッカーは軟化し、布系の素材との接触でさえ変質する危険性があります。つまりケース
の中に入れて置くだけでも場合によっては塗装面にダメージを与えるケースがあるということです。過去に見た
例ではギブソンのアコギの塗装面に、ケース内側の赤が移ってしまったというギターを見たことがあります。ま
た、これは私の失敗例ですが、ギタースタンドにクロスを敷いてギターを長期間立てかけていたのです。ある日
ふとギターを持ち上げるとクロスとの接触面がくっついたような状態になり、塗装面が微妙に変質していたとい
う経験があります。ネック部分を吊るすように立てるスタンドでも、スタンドとネックの接触面にかなりの圧がか
かるので、クロスを巻いても変質の可能性はあるでしょう。

このようにラッカーのデリケートな皮膜はケースの中や、ギタースタンド用に売られている布製のプロテクターを
使ってても、決して安全ではありません。購入して間もない保障期間でも、おそらくこの塗装面の変質について
は保障対象外となるので、たまにケースの中をチェックしたり、ギタースタンドとギターの接触面を定期的に変え
るなどしましょう。

カビもギターが大好物(特に指板)ですので、こまめにチェックを。
マーティン・ギターのアナウンスによれば、ギターにとって良好な湿度は
50%とのことです。

岸正之ホームページ kishi masayuki on the web


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