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Oct 8, 2006 

■iPod時代のマスタリング

 
前、ここでmp3の音質はかなりのところまできているという話をしましたが、海外の一部アーティストの音源
ではすでにネット配信用として圧縮データ専用のマスタリングが行われているとのことです。

私が初期のmp3音源を初めて聴いた時の印象は、決して良いものではなく、特にキメの荒さが耳に残りました。
そしてビットレートが低くなればなるほど細かなニュアンス、例えばボーカルのブレス音とか、キックの輪郭など
がぼやけていくと感じました。

けれど圧縮の技術や、それを使う方のテクノロジーも初期とは比較にならないほど熟成して、最適な落とし込み
先を常に模索した結果が現在なのでしょう。いや、それよりも送り手が予想していたよりはるかに早く非圧縮の
パッケージ製品の需要は陰りを見せ、ポータブルプレイヤー=圧縮音源が幅を利かせるようになった現実がこ
の分野の技術を急激に進化させたのは否めない事実です。いずれにしても今後は日本でも圧縮データをヘッド
フォーンで聴くという形態のユーザーのために、送り手側も頭の切り替えは必要だと考えます。

将来的にはマスタリングに数種類のヘッドフォーンを使うのがあたりまえに
なるのかもしれません。
ところで、スタジオの標準ヘッドフォーン、ソニー MDR-CD900STのシール
を剥がさないっていうのは業界の掟なんですかね(笑)。

岸正之ホームページ kishi masayuki on the web


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