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Nov 6, 2006 

■pinkfloyd 1971

 
前から見たいと思っていたピンクフロイドの初来日の映像をようやく見ることができました。

時は1971年、まだ「原子心母」のリリースから1年経っていない時期です。フィルムには彼らが空港に着いた様
子や、車や新幹線での移動、ホテルから出てくる様子なども収録されています。警備は厳重ではなく、あまり
VIPという感じはしません。空港からは一般の出口から車に乗り込むし、ニューオータニからは普通のエントラン
スから出てきて大して混乱もしていないという感じです。これを見るとビートルズ来日時の警備がいかに普通で
なかったかが分かります。

で、肝心のライブの様子。あの伝説の箱根アフロディーテ公演です。ステージの上にカタカナで書かれた「アフロ
ディーテ」の文字が時代を物語ります。音質自体はサウンドボード録音ではなく、お世辞にもいいとは言いがた
いのですが、かえってそれが生々しい雰囲気を伝えています。もちろんサポートメンバーなどはいません。あの
「原子心母」を4人で演奏しようというのですから、それは無理というものなのですが、骨格だけでもやはり「原子
心母」です。みんなブラスやチェロは脳内で補って聴いていたのでしょう。また、この時期のサウンドでオルガン
は重要なパートですが、このライブで使用されているのはfarfisaのduo compactだと思います。

もうひとつ目を引くのはステージの左右に築かれたWEM製のPA。日本人が本格的なPAを見たのはこれが最初
ではなかったのでしょうか。当時、ロックバンドの機材の重さ(合計○○トンのPAとか)がよく話題になりました
が、ピンクフロイドはその草分けでもありました。

1966年のビートルズ、1971年のピンクフロイドの両方を実際に見た人が今
どんな仕事をしているか知りたいです。

岸正之ホームページ kishi masayuki on the web


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