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Jun 4, 2007 

■007は二度死ぬ

 
「007は二度死ぬ」のDVDが先日届きました。これは007シリーズの通算5作目で、封切りされたのは1967
年。特筆すべきは日本がメインの舞台となっていることです。当時の銀座や、現在もそのまま残っているホテ
ル・ニューオータニも登場します。

内容はもう何度かテレビの再放送などで見ているので知っているのですが、改めて見てみると赤坂の街中でよ
くもこんなに激しいカーチェイスが許されたなぁとか(追っ手のクラウンが民家に突っ込みそうでこちらが焦ります)、えぇー、このミニ・ヘリコプターって本当に飛ばしていたんだとか(ヘリの戦闘シーンでカメラマンが重傷を
負う事故があり、ロケは中断。続きは日本の地形によく似たスペインで行われたとのこと)、イギリスの大ヒット
シリーズと言えども、かなりの危険を覚悟で、文字通り命がけで作られていたのだねと思ってしまいました。

ちなみにボンドガールは若林映子さんと浜美枝さん。お二方のエキゾチックな顔立ちは海外から見た日本の
女性の印象を理解する上で興味深く、先日、ミス・ユニバースになった日本女性のルックスとともに、日本の王
道らしき基準と微妙に乖離しているのは昔も今も同じなのかもしれませんな。

ともあれ、このような荒唐無稽なストーリーをエンターテインメントとして見事に見せてしまうのは、007の神通力
という以外にないです。1966〜67年の空気感、エキゾチックで懐かしいような日本の風景、メイキングでの数々
の興味深いエピソードも含め、とても楽しく、甘美な気分になれる作品でした。

このデジタル・リマスターはクオリティ高いです。
予想していたよりもはるかにクリアーでノイズレスな映像で驚き
ました。どのくらいクリアーかというと、劇中、小道具として登場
するカメラのレンズの周りに書かれている「Asahi.Opt.Co」の
文字が読み取れるほどです。

岸正之ホームページ kishi masayuki on the web


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