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■営業仕事 私がシンガー・ソングライターとしてビクターと契約した当初は今思うと奇妙な仕事もたくさんありました。プロ モーションのための有線放送周りやNHKオーディションなども私にとってはとても違和感がある仕事でしたが、た まに営業っぽいライブというのがあったのです。つまり、なにかのパーティーや催しなどの席で演奏するハコ バン寸前(笑)の仕事ですな。そういう時のバンドのメンバーはイレギュラーになるケースが多く、色々な人と 出会えて興味深かったものです。 ある日、某航空会社のパーティーというのがありました。どこかのホテルだったと思うのですが、ライブの途中か らおねいさんたちが酒の勢いで前のフロアで踊り狂っておられました。で、その時のドラムが元TENSAWのグリ コさんだったのですな。グリコさんはハードロック仕様のツインバスのバカでかいドラムを本番に持って来られて、 メンバー紹介のソロではもうおねいさんたちの酔いがふっとぶようなジョン・ボーナムばりの長いソロを披露して 下さいました。テーブルの皿がカタカタいうようなツインバスの「どどどどどど」という大音量に踊っていた方たち は「チッ」と思ったかもしれませんが(笑)、我々は大喜びでした。 さらにはビクター・レコードの懇親会みたいのもありました。これは地方の営業所の方たちを高田馬場BIGBOXに 招待して行なう慰労会のような席でしたが、ちょっと面白かったのはバンドが本社のスタッフの方たちだったの です。本社のスタッフと言ってもあなどれないのは、ほとんどが元プロとして活動していたミュージシャンでへた なスタジオ・プレイヤーよりうまいのですな。元スペクトラムはいますし、ベースがいなかったので急遽、入ったプ レイヤーはなんと伊藤広規さんでした。もちろんスラップ弾きまくりだったのは言うまでもありません。ちなみにこ の時、同じ日に行われたリハーサルの途中まで伊藤さんは私のことをビクターのスタッフだと思っていたらしい です(汗)。
2002/8/13 |
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