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Feb 8, 2008 

■白い小鳩

 
は亡き朱里エイコさんの名曲「白い小鳩」(1974年)。とにかく歌も演奏もすごいです。このシングルまでは
いわゆる歌謡曲でしたが、この曲では作風やミックスも含め、かなり洋楽のソウルミュージック寄りのアプロー
チになっています。作編曲は都倉俊一さん。このあたりの曲がその後に続くピンクレディのプロトタイプであった
可能性はありますな。

ちなみに「北国行きで」も「ジェット最終便」もいいのですが、当時の歌謡曲の基準とはいえ、ミックスが今聴くと
つらいです。特に「北国行きで」はドラムとベースが素晴らしいグルーブで演奏しているのに、リズムが小さいミッ
クスで惜しいです。このドラムは一体誰なんでしょう。フィルを聞くとかなりロックのフィールドの人という感じです
が。

それにしても、朱里エイコさんの歌のタイム感は驚きです。リズムが立ってないミックスでも16ビートがちゃんと
行間に感じられます。この方は生まれてくるのが30年早すぎたのでしょう。日本にソウルミュージックとかブラッ
ク系が受け入れられる土壌が出来てからだったなら、とんでもないスターになっていたはずです。

「ジェット最終便」の3/4拍子になる「暗いイス、暗い窓、暗い影」という部
分の変拍子加減、なんかあったなと考えたら杉真理さんの「アニーよ目
をさませ」の「annie wake up, annie wake up ,cry cry cry 夜はすぐ」
の部分でした。どちらもすごい発想で、恐れ入りましたって感じです。

岸正之ホームページ kishi masayuki on the web


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