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Apr 20, 2008 

■So long Norman Smith

 
日、ビートルズ・ファミリーの中でもかなりの重鎮、ニール・アスピノールが亡くなったという報を聞いた矢先、
ノーマン・スミスもこの3月に亡くなっていたというニュースを読みました。

ノーマン・スミスはビートルズの初期のレコーディング・エンジニアだった人で、ジャズの素養があったことから曲
が書け、1965年にはスミスの書いた曲をビートルズがレコーディングする直前までいったという話もあります。
その後、ピンクフロイドのプロデュースなども手がけましたが、この人の経歴で面白いところは、プロデューサー
からミュージシャンに転向してヒットを出していることで、1972年にハリケーン・スミス名義で出した「Oh Baby
What Would You Say?」がアメリカでヒットしています。「ハリケーン」というニックネームはエンジニア時代にビー
トルズがつけたらしいのですが、なんだかジョンあたりがお得意のサディスティックな冗談でつけたような気が
しないでもありません。

ちなみに、このヒットが出た時、スミスはもうすぐ50歳になろうとしている頃でした。声はお世辞にも美声とは言
えませんが、この曲はジャージーな香りもする、「ハニーパイ」のポールのような、ギルバート・オサリバンのよう
なテイストです。その後、オサリバンの曲「Who Was It?」のカバーでシングルを出したりもしています。

今晩は久々にビートルズの初期のアルバムでも聴いて、スタジオでフェーダーをいじっていたであろうノーマン
・スミスのことを想像してみることとします。

<<ノーマン・スミスのフェーダーさばきを見守るプロデューサー、ジョージ・マーティン(1964年)。ちなみにスミスのほうがマーティ
ンより3つも年上でした。
ジョンはスミスに様々なニックネームをつけましたが、その中の
ひとつはこのきちんとしたネクタイ姿から「Normal (まじめな)Smith」。
この紳士然としたスミスが1972年には長髪、ひげ面でミュージ
シャンになるのですから、世の中分からないものです。

岸正之ホームページ kishi masayuki on the web


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