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Jun 25, 2009 

■赤い鳥とPPMスタイル

 
い鳥は1969年に結成されたグループで、「翼をください」のオリジナルアーティストとしても有名です。

今回、触れたいのは赤い鳥のプロデビューのきっかけとなった1969年に出場したヤマハ・ライト・ミュージック・
コンテストの音源。これにはオフコースや、チューリップの前身となるグループも出場していたといういわくつき
のコンテストです。

当時のコンテストの様子をこの音源で聴くと、オリジナルを披露するより、既成の曲をいかにパフォーマンスする
かに重きが置かれていたようです。赤い鳥は「Come And Go With Me/Children Go where I Send Thee」とい
う外国曲(2曲のメドレー?)と、「竹田の子守唄」という全く正反対のテイストの曲を演奏しています。

今はこういうPPM(Peter,Paul&Mary)スタイルの音楽形態は忘れ去られている感がありますが、それにしてもこ
の赤い鳥の演奏はパーフェクトです。歌い方のダイナミクスとか、縦割りの揃い方とか、ものすごい練習をしたの
だろうと想像いたします。これは誰が聴いても赤い鳥がグランプリで異論がないところでしょう。

そういえば、私の高校では先輩たちがこのタイプの音楽をよくやっていて、PPMの「Jetplane」、「A Sorlin」など
は定番の演奏曲でしたな。でも、私はこのPPMスタイルというのがなんとも健全すぎる感じがして、当時はすん
なりと受け入れられなかったのですよ。うまいし、きれいなんだけど、やりたいのはこういうのじゃないなと思って
いました。

赤い鳥はその後、このPPMスタイルを脱却して、ドラム、エレキギターなどのメンバーを加え、ソフトロック路線に
シフトしてきますが、この時代はちょっとムリしてるなという感じが否めませんでした。逆をいうなら、赤い鳥はソフトロック路線に行く前にすでに完成していたなと思うのですよ。

9/17追記
昨日、PPMのマリー・トラバーズさんが白血病
のために亡くなったそうです。ご冥福をお祈り
いたします。


岸正之ホームページ kishi masayuki on the web


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