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Mar 5, 2010 

■加藤和彦さんのギター

 
、加藤和彦さんのギターを私のレコーディングで使わせていただいたことがありました。正確には編曲の清
水信之さんが持ってきた加藤さんのギターを清水さんが弾いたのですが。

1982年、私のビクター時代のシングルのレコーディングでのこと。企画の段階でこれは絶対にこの人に編曲をお
願いしたいと思っていたのが清水信之さんでした。オケのレコーディングの日にスタジオに行くと、広いスタジオ
の真ん中にケースに入ったままのたくさんのギターが置いてあったのです。

清水さんはあの頃、恐ろしく忙しかったはずなので、そのスタジオで数本のレコーディングを掛け持ちしていたと
思われ、楽器などは置きっぱなしという印象でした。そして、そこにあった多数のギターが加藤さんから借りたも
のであったのです。ある本によると、竹内まりやさんのバックをやっていた清水さんに加藤さんが目をつけ、「不
思議なピーチパイ」で編曲のスコアなどを書いたのがきっかけで、清水さんは加藤さん関連の仕事を多く手がけ
るようになったとのことです。

そのギターの中にはレコーディングで使った黒いレスポールのほかにも、ナチュラルでラウンドエッジのリッケン
バッカーなどがあったように記憶しているのですが、なにしろ当時はレコーディングでテンぱっていて(笑)、そん
なギターを見る余裕などはなかったのでしょうな。今にして思えば、雑誌などでもあまり公開されることのない加
藤さんのギターを間近に見る希少なチャンスであったと少し悔やまれます。

昨日、見かけた寒桜です。


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