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Jun 14, 2010 

■東宝の女優さん

 
宝の昔の特撮映画を見ると今でも甘美な気持ちになります。その理由は、子供の頃、それらの映画をテレビで夏休みや年末などに何本も放送していて、それを休みの開放感とともに見た思いが蘇るからなんだと思い
ます。

ビデオの時代は高価だったそれらの作品がDVD化され、価格が1/10以下になり、しかもデジタルマスタリング
で格段にきれいな映像で見られるようになったことは本当に喜ばしいことです。個人的に好きな作品は、特撮
映画が子供をターゲットにし始める以前のもので、ぎりぎり1960年代の初頭までのもの。それ以前と以降では
作品のテイストもかなり変化します。1950年代はやはりリアルの戦争の影をひきずっている感じで、テーマも
重く、大人の鑑賞に耐えるものが多かった気がします。

一方、子供の頃はあまり意識して見ていなかった東宝の女優陣ですが、これがまた素晴らしい。知的で都会的
な白川由美さん、無垢で上品な河内桃子さんなど、この時代の女優さんに共通して言えることは気品があるこ
と。で、多くの作品でサービスシーンみたいな、お風呂のシーンとか(黄門かっw)、意味もなく着替えシーンとか
とってつけたようにこういうシークエンスがいきなり出てくるのです。

で、その女優観点から見た東宝特撮映画の個人的ベスト3はというと、

1)ゴジラ(1954年)〜白黒の重い感じの作品に唯一、華を添えているのが河内さんです。
2)地球防衛軍(1957年)〜白川さんと河内さんの東宝ツートップ出演です。
3)美女と液体人間(1958年)〜シンガー役の白川さん。白黒のドレスで歌うシーンが美しいです。

もうひとつの楽しみは東京オリンピック前の東京の町並みが
よく登場することです。
「妖星ゴラス」(1962年)の空撮シーンでは日比谷にあった三信ビルがはっきりと映っています。

<<2007年に解体された三信ビル。2006年撮影。

関連テキスト・・・■追悼・松林宗恵監督(2009/8/20)■東京の消えゆく風景〜2(2008/7/7)

岸正之ホームページ kishi masayuki on the web


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