■ノーリン・ギブソンの思い出
ギブソン・ギターは1969年にノーリンという会社に買収されます。そして、様々な理由でこのノーリン期のギブ
ソンは品質が低下した時期でもありました。この時期をギブソンの「暗黒の時代」と呼ぶ人もいます。
私が初めて間近で見たギブソンは、このノーリン期のギブソンでした。中学3年か高校1年ぐらいの時、先輩が真
新しいギブソンのアコギを学校に持ってきたのです。スクエアショルダーで、全体に茶色っぽいサンバーストのそ
のギターは今思うとJ-45だったと思うのですが、とにかく、みんながヤマハとかモーリスとかジャンボとか、高くて
も3万円ぐらいのギターを使っている時のギブソンは水戸黄門の印籠ぐらいの破壊力がありました。もちろん、弾
かせてなんてもらえません。ケースの中のギブソンをみんなで囲んで見ていただけです(笑)。
時は経ち、CMの仕事などで当時はスタジオで手っ取り早く自分でアコギを録音することなどがありました。1980
年代初期の話です。その時、スタジオになぜか置いてあって使ったのがギブソンのハミングバード。これもノーリ
ン期のメープル3ピースネックのギターでした。固めの音でマイクの乗りは悪くなかったけれど、弦のテンションが
すごかったので、固めのピックでバリバリと弾いたのをよく覚えています。
ギブソンがノーリンの手を離れて、かつての品質を取り戻そうと動き始めるのが1985年。それ以降のギブソン
はようやく復権し始めますが、なぜか今、あの曲者のノーリン期ギブソンがとても懐かしいです。
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ノーリン期ギブソンの弦です。
デッドストックですが、プレーン弦は錆びています。 |
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