■エレピ専門店
神田にエレピ専門店ができたというので猛暑の中、行ってきました。
エレピといってもこの店で扱うのはデジピではなく、ローズ、ウーリーなどのいわゆる本物のエレピ。お目当ては
今年のNAMM(楽器ショー)で出品されて、日本ではおそらくまだここでしか現物は見られないと思われるヴィン
テージ・ヴァイブというメーカーのティン(タイン?)・ピアノというエレピ。
大きさはウーリーぐらい(73鍵と64鍵がありました)で、ボリューム、トレブル、ベース、ビブラートから成るプリア
ンプが組み込まれています。タッチとかサウンドはざっくり言うと、ローズのマークIにすごく似ています。それもそ
のはず、このメーカーはこのピアノをリリースするまでは、ローズなどヴィンテージ・エレピのレストアや、リプレイ
スメント・パーツなどを扱っていたとのこと。売りは軽量なこと(30キロ台)と、カバーの派手なカラーリング。もちろ
ん、ローズやウーリーのような落ち着いたカラーもあります。メーカーでリファレンスにしているアンプはフェンダー
のデビルということで、12インチ2発タイプがつながっていました。
で、小一時間ぐらい試奏したり、話をしたりしていたのですが、なんと、奥に調整中で置いてあったのが、マークI
以前のオリジナル・ローズ!ええ、フェンダーロゴ、シルバートップで3ノブ、コントロールパネルが鏡みたいに
なってるあれですよ。あれの現物を見たのは、学生の時以来です。お店の人は1960年代当時、日本に正規で
入ってきたのはわずかに2台と言ってました。あのローズの鍵盤は木製なんだけど、プラスティックで囲んである
ので、横から見てもマークIみたいに木が見えないんだって。豆知識。あともうひとつ、マークIIの54鍵盤は他の
マークIIのピックアップ・システムとは異なり、直列につながっているので、一個断線すると全部音が出なくなる
のだそう。これも知らなかったなぁ。
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これがVintage
Vibe Tine Piano。
グレッチのシルバースパークルとほとんど同じカラー。
実物はこの写真より2段階ぐらい派手です。
中を見せてもらうと、まんまローズだったけれども、軽量化
のために色々と苦心の跡が。
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追記)家についてからたまたまヴィンテージ・ヴァイブのユーチューブページを発見しましたが、ここのレストアは
なんかすごいです。ローズ、ウーリー、ピアネット、クラビネットのほか、ヴォックス・コンチネンタルオルガンとか
ファルフィッサ、アープ・オムニとかそういうヴィンテージ・キーボードまで直してる。動画を見ると、もちろん電気回
路もレストアしてるのですが、存外、経年で劣化したバネやゴム部品を交換するとかいう物理的な修理も多い
ことがわかります。
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