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Oct 13, 2011 

■月曜日のユカ

 
活が100周年記念で新たにデジタルリマスターしたシリーズをリリースし、発売日に何作か購入しました
が、一番最初に届いたのは「月曜日のユカ」(1964年)。

これはほとんどユカを演じる加賀まりこさんのプロモーションビデオですな。当時、加賀さんは20歳そこそこ。フォ
トショ加工しなくても、大理石みたいな肌質。和製ブリジット・バルドーと言われていたそうですが、そこまで肉食
系の感じはしませんけど。同じ中平康監督の映画であれば、「狂った果実」の北原三枝さんのクールなセクシー
さとは対極のベクトル。最後の埠頭でしゃがんで海を見るシーン、あの1シーンのためにそれまでのストーリーが
あった感。

横浜でロケが行われており、1960年代の横浜の風景が随所に出てきます。伊勢佐木町、元町、八聖殿、山手
カトリック教会、ホテルニューグランド、氷川丸、レンガ倉庫などなど。冒頭、レストラン・スカンディアのあたりが
ちらっと出てきますが、スカンディアのオープンは1963年ということなので、出来て間もない頃ということになりま
す。また、同じく冒頭、ユカが車の外人から口笛を吹かれるシーンは日本大通りの横浜地方裁判所前。ここは現
在でもほとんど変わっていません。

映画冒頭でユカが口笛を吹かれるシーンのロケ場所。
横浜地方裁判所前。(2011年10月撮影)


あれはどこだろうと思ったのが、ラストのユカが広い道の真ん中を奥へ歩いていくシーン。日本大通りにしては
回りの建物が違う感じ。道の真ん中にある街灯の形、右奥に現在の横浜第二合同庁舎、向こうにネオンや市電
が走っているのが見えるなど、あれは海岸通4丁目の万国橋通り。ユカは万国橋から馬車道方向に歩いて行ったのです。

ラストシーンの撮影された万国橋通り。街灯の形状は当時とほぼ同じ。(2011年10月撮影)
写真右の工事中の所には2009年まで海岸通住宅公団ビルという建物があり、それは映画にも写っています。


岸正之ホームページ kishi masayuki on the web


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