■TEXT

Feb 17, 2012 

■日本のMusic Ground

 
Music Groundというのはロンドンにある楽器屋さん。この楽器屋さん、ジョージ・ハリスンがまだ有名になる
前に1年ほどしか使わなかった誰も知らないようなギターを復刻したというムチャする楽器屋です。

そんな楽器屋さんが日本にもあったのですよ。しかも横浜に。クレーンギターズという店です。けれど、残念なが
らこの2月いっぱいで閉店とのこと。

クレーンギターズの面白かったところは、Music Groundと同様に手に入らないギターなら自分たちで作ってしま
えということで、本当にそれらを作ってしまったこと。作ったのはケンジントンとかフーテナニーとかもうマニアにし
かその価値が理解できないモデル。それも中途半端にではなく、緻密な検証と豊富な知識を用い、高い精度
で復刻してしまったのです。手に入らないパーツなどはメーカーにオーダーで作ってもらったりしているので、当
然、それは値段に跳ね返るというわけ。

おそらく商売だけならこんなに手間がかかって、リスクのあることはやらなかったはず。ロジックなマーケティング
を越えた場所で、大手ではないフットワークの良さと、あのギターを作ってみたいという単純な思いがこんな企画
を具体化していたのだと思います。

実は先日、寄った時に店頭には出ていなかったものすごーくレアなチェコスロバキア製のギターを見せてもらい
ました。1960年あたりのイギリスのガレージバンドの写真の中でだけしか見たことのないもので、実物見るの
は生まれて初めて。今後ももうきっとお目にかかれないであろう代物。あー、こんなギター売ってるの日本でおそ
らくここだけだろうなぁ。セルマーのアンプとかも普通に置いてあるし。閉店までにもう一回行ってなんか買いた
いなぁ。


岸正之ホームページ kishi masayuki on the web


<<   TEXT MENU   >>

HOME