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Mar 17, 2012 

■傷だらけの天使

 
レビを見ていて、涙が出るほど笑ったのは久しぶりでした。昨年からBS日テレでやっている「傷だらけの天
使」の第22話。水谷豊さん扮するアキラが酔っ払って、アドリブ(おそらく)を次から次へと繰り出すシーン。同席
している家元の役で、クールにしていなければいけない篠ひろ子さんが素で笑いを必死にこらえているのを見
て、もうこっちも大笑いですよ。

「傷だらけの天使」の制作過程は萩原健一さんの著書「ショーケン」に詳しく載っていますが、思っていた以上
に萩原さんが製作に関わっていたことを知り、驚きました。例えば、アキラ役を最終的に水谷さんに決めたのも、
音楽や衣装の選定も全部萩原さんがイニシアチブをとっていたとあります。渡された脚本にも事前に相当手を入
れ、リハーサルのたびに芝居やセリフが変るなんてこともあったと。それがあの独特の生っぽい感じや、その時
代のみが持つ疾走感を生み出していたのだと納得しました。

リアルタイムで見ていた頃を思い出しても、実はストーリーは二の次で、オサムやアキラの掛け合いや、岸田森
さん扮するタツミや、岸田今日子さん扮するアヤベとのからみを楽しんでいたような気もします。このドラマ以降、
露骨に同じような作り方をしたドラマはいくつかありましたが、やはり、オリジナルの輝きには到底かなわないと
思います。


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