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Jul 17 ,2013

■ミュージックライフ1967年5月号

 
1960年代のミュージックライフを何冊か入手しましたが、その中の1967年5月号が実に興味深いです。

ビートルズはシングル「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」「ペニーレイン」をリリースしたばかりで、まだアルバム「サージェント・ペパーズ」は出ていないというそんな時期。モンキーズ・ショーもまだ日本では放映されてなく、いつ放映されるのかという記事が出ています。日本ではまだ本格的なグループサウンズ・ブームは来ていないので、スパイダースとブルーコメッツがNo.1の座を争っています。

1967年の夏に海外の先端のシーンではサイケデリック・ブームの頂点のサマー・オブ・ラブが来るわけですが、雑誌ではまだ「サイコデリック」と表記されています。その伏線的なシングルがビートルズの「ストロベリー〜」でしたが、ポップ・ミュージックとしてはやや難解なこの曲、日本ではあまり好意的には受け入れられていなかったようです。

スパイダースがこの年の3月にリリースしたのが「太陽の翼」、ブルコメは「ブルー・シャトウ」。当時の日本の音楽シーンはバンドといえども、歌謡曲というメインストリームの中に存在したことがうかがえます。当時の歌謡曲のレコードを誰が買っていたかと考えた時に、私はどうしても新橋あたりで仕事帰りに飲んでいるサラリーマンの方々が思い浮かぶのですよ。当時のレコードとは決して若者中心に動いている産業ではなく、新橋の飲み屋さんでかかっても違和感なく溶け込む曲がヒット曲の重要な条件であったのではないかと。そう考えると「太陽の翼」も「ブルー・シャトウ」もまさにそのようなテイストを持っている曲であったと思うのです。

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