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Aug 20 ,2013

■スペンサー・デイヴィスのヤマハ

 
ペンサー・デイヴィス・グループといえば、スティーヴ・ウインウッドが在籍し、1966年から1967年のピーク時には全米でもベスト10にヒット曲を送り込んだUKのバンドですが、1967年3月のフィンランド・ヘルシンキでのTVショーのライブで、スペンサー・デイヴィスがヤマハのセミアコを使用している映像があります。

現在では世界の有名プレイヤーがヤマハを使うことは特にめずらしいことではありませんが、時代は1960年代、しかも1967年というと、まだヤマハがエレキギターを発売して間もない時期で、スペンサー・デイヴィスがどういう経緯でヤマハを使用していたのかに興味があったのですよ。で、先日、ムッシュかまやつさんの「ムッシュ!」という本を読んでいて、ようやくその謎が解けました。

かまやつさんの在籍したスパイダースは、ヨーロッパでリリースされた'Sad Sunset'(「夕陽が泣いている」の英語バージョン)のプロモートのために、1966年10月から11月にかけてヨーロッパへ出かけます。ロンドンではBBCの人気番組'Ready Steady Go'(11月11日?)に出演しましたが、その際に一緒に出演していたのが人気絶頂期のスペンサー・デイヴィス・グループでした。

スパイダースはこのツアーのためにヤマハから楽器を提供されていましたが、なぜか帰国時になって税関の関係でその楽器が日本に持ち込めないことが分かったのだそうです。だったらということで、好きだったスペンサー・デイビス・グループにその楽器一式を進呈しようということになり、あげてきたということです。帰国してからスペンサー・デイヴィスから確かに受け取ったというエアメールが届き、それが1967年に使われたことは時期的にもまず間違いないと思われます。

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