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■腕時計

 
あ、今はみんな携帯を持ち歩いているので、腕時計というのもだんだん装飾品の域に入っているのかもし
れません。

私も普段はほとんど腕時計はしませんが、20年ほど前にイギリス在住の友人に頼んで買ってきてもらった1950
年代の古い腕時計を持っています。これ、昔はかなり気に入っていて使っていたのですが、ある日、朝の急い
でいる時に乱暴にネジを回したら、壊れてしまったのです。

どうしても直したかったので、日本の現在のサービスセンターに持っていったら、こんなに古いものは直せないと
いう冷たい返答。こうなると私はなぜか燃える性質で、どうしても直そうと思ったのです。

で、ある人に横須賀にその道の達人がいるという話を聞いて持っていったのです。しばらくして「完全には直
りませんでしたが、実用には耐えるようにしておきました」というメッセージとともに時計が返送されてきました。
そして、完全に直せなかったのでお代は結構ですとのこと。この対処に私はいたく感激してしまったのです。

もちろんお礼はしましたが、帰ってきた時計を使ってみると、実用には全く問題なく見事にリペアーされていま
した。おそらくこの職人さんは自分のハードルをとても高く設定している人なのでしょう。うーん、今どきこんな職
人魂を持ち続けている方がいるのですね。素晴らしい!
<<文字盤のサイズはやや小さめのボーイズサイズです。

                                                         2002/12/23

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