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Apr 3,2016

■小さな恋のメロディ

 1971年に日本で大ヒットした映画(原題は'Melody')です。当時、クラスメイトの半分ぐらいは観たのではないかと思うほど話題になったことを良く覚えています。主題歌であるビージーズの「メロディ・フェア」も頻繁にラジオの深夜放送で流れました。

何十年ぶりかで観て、覚えていたのは墓地のシーンと最後のトロッコのシーンでCSN&Yが流れるぐらいで、ほとんどのシーンが初めて観るような感じでした。シビアに観れば、ダニーとメロディが恋に落ちるのが唐突で説明不足という感も否めませんが、それはそれ、今、冷静に観てみれば・・・という話です。こちらも主人公と同じようなローティーンの時に親や学校の問題を抱えながら観た時に芽生えた感情こそが、この映画の受け止め方としてははるかに正しいのでしょう。ロックンロールが若者たちしか理解できなかった音楽だったように、この映画も大人になると消えてしまう価値観のみと強く響きあうのだと思います。

レンガ色と白い窓枠のコントラスト、廃墟や墓地に茂る名もない花、クラシックで美しいイギリスの風景。メロディが金魚を持って街へ出て、馬の水飲み場へ放すシーンなどは美しいことこの上ないです。

追記) ビートルズの映画「ヘルプ!」で博士の助手を演じたロイ・キニアがメロディの父親役だったとは!



 

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