■Eight Days A Week

 　ビートルズの21年ぶりの最新映画「Eight Days A Week」。DVDになった時に観ればいいかと思っていたのですが、劇場公開版にはDVDには入らないシェイスタジアムのエクストラ映像があるというので観てきました。

一応、ツアー中心のヒストリーにはなっていますが、それ以外の映像も結構含まれています。観終わった直後の印象としては1995年の「アンソロジー」のアップグレード版という感じがしました（アンソロジーがテレビで放送された1995年の大晦日、家中のビデオをセットして出かけたのを良く覚えています）。個人的に一番興味があったのは、日本公演の際、警視庁が記録していたフィルムが使われているということで、公式に記録された2公演以外のステージ映像があるのかなと期待したのですが、これは街や空港、警備の様子を記録したものだったようで公演部分はありませんでした。

音源の差し替え、編集に関しては否定的な意見も多く聞かれますが、シェイスタジアムの時代も放送にあたってオーバーダビング、差し替えはしていたわけですし、この作業は作品全体の完成度を上げるための正当な作業だと私は思います。スタジアムクラスのコンサートのノウハウが手探りであったあの時代、ジェット機のような歓声の中で正確な演奏をするということが土台無理な話で、作品として表に出すのならありとあらゆる手法で修正するのは送り手としては議論の余地のない工程なのでしょう。

映像に関してはオリジナルが35mmフィルムだと4Kレストアの効果は絶大で、シェイスタジアム、ルーフトップなどは今まで観た映像の中で間違いなくベストのものでした。ズームだとさすがに荒くなりますが、35mmフィルムの情報量とポテンシャルは恐るべしです。そして、ルーフトップは映画「レット・イット・ビー」のその部分とは別編集で、アウトテイクの映像も入っていたように思いました。