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Mar 7 ,2013

■ユーリンファボリとsunnのアンプ

 
前にもこのテキストで書いたことがありますが、1970年代の中期、横浜関内の馬車道にユーリンファボリ
というビルがありました。そこには横浜の老舗書店、有隣堂が文具や画材、楽器など、芸術関連のグッズを
扱う店を出店しており、6階にあった楽器のフロアに隣接してウェイ・インという音楽スタジオがあったのです。

まだ高校生だった我々のバンドはそのスタジオで何度か練習しましたが、そこにはアマチュアのバンドが使う
には手に余るような機材がありました。私がよく覚えているのはsunnというソリッドステートのギターアンプが
あったことで、それは私が初めて使ったアメリカ製のアンプでした。

数年前に実家の整理をした際、このユーリンファボリのパンフレットが出てきて、それを見ると、やはりあそこの
スタジオにあった機材はアマチュアが使うには大したものでした。ギターアンプはsunn solosIIとヤマハJ95、
ベースアンプがsunn concert bass、オルガンはヤマハYC-45D+Leslie825(本物のレズリー!)、ドラムは
Rogers Bセット、ピアノはヤマハ U3H、マイクはshure565、ソニーECM65 そしてミキシングルームにはヤマハ
PM1000があり、マルチレコーダーこそありませんでしたが、オープンリールのレコーダーが完備していました。

当時は楽器店でも高価な楽器はショーケースの中にあったもので、軽々しく試奏などはできなかった時代です。そのような時代に、ウェイ・インは憧れであった高価な機材を自由に使えた実に贅沢なスタジオでありました。

 

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