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 Jan 20,2022

■愛しのフリーダ

 ビートルズのマネージャー ブライアン・エプスタインの秘書として雇われ、ファンクラブの運営も任されていたフリーダが回想するドキュメンタリー。

この映画が心を打つのは元々ビートルズ・ファンだったフリーダがビートルズのスタッフとして働いていた時代からこの映画に至るまで、ビートルズの不利益になるようなことは一切語らなかったこと。ビートルズが有名になればなるほど、その名声や冨を目当てに多くの裏切りがあり、下賎な民が近寄ってくるからこそ、終始変わらなかったフリーダの忠誠心や誠実さが一層光るのです。それは一言で言えばビートルズへの愛なのでしょう。

ビートルズの名前をフルに利用して商売すれば、少なくない対価を得るような人生もあったはずなのに、この人はそれを選択しませんでした。強い意思を持って市井の人に戻り、これまで多くのオファーがありながら、表に出てくることはありませんでした。そして、最後にみんな大好きだったと語るフリーダのピュアさに泣きました。これはビートルズ関連のドキュメンタリーの中で出色の作だと思います。


 

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