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 Mar 9,2022

■思い出せない映画たち

 遠い昔に観て、断片的な場面は覚えているもの、いまだにそれがどんなタイトルだったか思い出せない映画が何本かあります。

その中のひとつは小学生の頃にひとりで観た怪談もの。怪獣映画の併映だったと思うのですが、時代劇で女の人がもてあそばれた挙句、斬られてその後に幽霊になって出てくるという話だったと。煽情的なシーンがあり、これは子供が見てはまずいものだと後ろめたいような気持ちになったことははっきりと覚えているので、少なくとも大人向きの映画だったと思います。そのテイストからエログロ期の新東宝か東映系の映画だった可能性が強いと思われますが、今でもその作品の名前が分かりません。記憶もおそらく上書きされているので、もう一度観ても思い出せないかもしれません。

もうひとつは高校生の頃に深夜や夏休みの昼間にテレビでやっていた昔の海外ドラマ。確かシリーズもののSF仕立てで、主人公が砂漠のようなところを車で走っていて、定期的にめまいのようなものが主人公を襲い、それが起こると画面がぐるぐる回るようなシーンがあったかと。車の形から1960年代の作品だと思うのですが、これもyoutubeでたまに探すのですが見つけられません。トワイライト・ゾーンやアウター・リミッツではないと思います。もっとB級だった印象。

逆に子供の頃に観たテレビの再放送映画で判明したものもありました。それはSF映画で、覚えているのは暑い地下室のような場所に子供たちが避難して閉じ込められているシーン。これは大映の「宇宙人東京に現わる」という1956年の作品のワンシーンでした。クレジットを見ると脚本は「七人の侍」など黒澤作品で有名な小国英雄だし、色彩指導は岡本太郎と相当気合の入った映画であったことが分かります。この岡本太郎の手による宇宙人の造形は不思議と記憶にありません。

 

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