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 Mar 1,2022

■有隣堂の居酒屋

 外出するとよく立ち寄るのが書店の有隣堂ですが、近年、どこの店舗でも本のほかに食品や雑貨のようなものを扱っているのが目に付きます。

ちなみに伊勢佐木町の本店(1956年竣工)は私が子供の頃から大がかりな改装はされておらず、大理石のような柄の内装や、ペイントの剥げかかった木製の階段手すりや床なども、たぶん昔のままです。そのせいでしょうか、ここに行くと子供のころの隠れ家に来たような感覚になり大変落ち着きます。地下のレストランも1990年代まであったはずです。藤沢の有隣堂の入っているフジサワ名店ビル(1965年竣工)もよく行きましたが、あそこの昭和レトロ感もすごいです。一階の広場には時間になるとシャッターの開く街頭テレビがあったと思います。

また、TVKのみでやっていたCMだったと思いますが、「一冊の本があれば〜」という歌と「本は心の旅路」というコピーのテレビCMも確かに見た覚えがあります。あの歌の声、聞き覚えがあると思ったら小坂忠さんだったのですね。

さらに高校生のころ、馬車道に有隣堂系列店のユーリンファボリというビルがあって、上階の楽器売り場に併設されていた音楽スタジオでたまに練習しました。あそこの女子トイレでメリーさんと出くわして、メリーさんが誰かを知らなかった女子が、「舞台の帰りですか?」とか聞いて無視されたというあのあたりならではの話もありました。

ところで、最近、登録者10万人超えの有隣堂のyoutubeが面白くて、よく見ているのですが、なんと東京には有隣堂が経営している居酒屋があるのだとか。それは東京ミッドタウン日比谷にある「一角」という店だそう。もっと驚いたのは、今まで有隣堂のバイヤーなどをやっていた社員さんがその居酒屋の応援で手伝っているのだとか。つまり、それまではスーツにネクタイで仕事をしていた人がいきなり居酒屋の厨房に入ってなにかやるってことですよね。いや、書店の多角化もここまできたかと。

(このブッコローというキャラの忖度なしのコメントには大笑いです。この中の人は昔TVKでやってた「saku saku」で木村カエラさんとからんでたジゴロウの人ですよね?) ←2022年6月21日更新の「有隣堂しか知らない世界」で「saku saku」のジゴロウの中の人が登場してブッコローと絡んでいますので違いました。


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