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 Jun 14,2022

■ゲイシャボーイ

 1970年代、テレビでよくジェリー・ルイスのコメディ映画をやっていて、次の日、学校へ行くと友達がまねをしたりして笑ったものです。今回観たのは「ゲイシャボーイ」(1958年 日本名:底抜け慰問屋行ったり来たり)。

おおまかなプロットはマジシャンのルイスが朝鮮戦争の慰問のために日本へ行き、そこで色々なことが起きるというもの。日本の風景は入りますが、おそらく全編アメリカでの撮影で、日本ロケはしていないと見ました。また、なぜ舞台が日本かといえば、おそらく前年に話題になった「サヨナラ」という映画があり、限定的ながら日本が注目されたのかもしれません。

めずらしくスモウレスラーは出てきませんが、お約束の混浴の大風呂は登場します。印象に残るのは早川雪州の家がちょうちんのぶら下がった金閣寺のような体で、その池で娘と孫とルイスが泳いで遊ぶシーン。その池には噴水がついているというなんともハリウッド的な日本描写です。ちなみに雪州は前年「戦場にかける橋」に出演しており、そのパロディも登場します。雪州の娘として登場するノブ・アツミ・マッカーシーという日本人女優は全く知りませんでしたが、wikiによればハリウッド映画で何作が出演作があるようです。

ルイスのコメディで惹きつけられるのは、決してドタバタだけではなく、必ず中にじわりと来る部分があることで、この映画でもルイスを慕う日本人の子供とのシークエンスが登場します。

ところで、この映画のラストシーン近くの観客の場面(下写真)。最前列右から2番目の人、どう見ても淀川長治さんですよね?

 

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