■TEXT

 Jan 10,2024

■テレビの記憶

 テレビが一番楽しかった時代はいつごろだったでしょう。昭和には「新春かくし芸大会」を観ないと正月気分が盛り上がらないという時代が確かにありました。また、1980年代だったでしょうか、友人がデート中、彼女に今日は「ひょうきん族」を観たいので帰ると言われて唖然としたということもあったほど、テレビの吸引力は大きかったのです。

ちなみに私が昨年テレビをつけて観た番組といえば、草刈正雄さんの回のNHK「ファミリーヒストリー」と「紅白歌合戦」が途中までという数時間のみで、数年前からニュースも駅伝もネットで観ています。

久々にテレビを観て感じることは、昭和の時代にはまかり通った台本ありきのやらせ感や予定調和の結末などいかにも作り事という感じがして、しっくりこないのです。なにかに対しての忖度や変なバイアス、コンプラ、なんとかコレクトネスという多種の縛りもテレビがつまらなくなった原因のひとつなのでしょう。逆を言えば、ある方向にバイアスのかかった情報を無条件で信じ、喜べた時代は幸せだったのかもしれません。

私に限って言えばもう一度かつてのようにテレビを毎日観るという生活には戻らないような気がします。なにかテレビがないと不安という感覚も、すでになくなってしまった手足の感覚が残っているようなもので、もしかするとテレビのない生活は静かでより快適なものかもしれません。


 

 kishi masayuki on the web


<<   TEXT MENU   >>

HOME