■コカコーラ・ジングルの変遷
Youtubeに1960年代のコカコーラのテレビCMをまとめて聴けるチャンネルがあり、興味深かったのです。
CM音楽というのはその時代の音楽の流行を反映しているものですが、若者をターゲットにしたコカコーラの場合はそれが特に顕著です。ジャズっぽいコーラス、ハワイアン、ポップス、ファズギターの入ったロックっぽいもの、フォーク、ボサノヴァ、バカラック的なものと数年の間に目まぐるしく音楽の傾向が変わります。
そのような中で、最後の「スカっとさわやかコカコーラ」のジングルに注目してみると、初期はジャズっぽい4声ぐらいのコーラスで、主旋律最後のトップの音は9度(ナインス)で終わっているんです。C調の音階で書くと「ソドソミファソラ・ドドレーレーレー」(スカっとさわやか・コカコーラー)と最後が音階のレで、9度のテンションです。
ところがこれが途中から(1965年あたり)、「ドドレーレードー」(コカコーラー)と普通にルートに戻って終わってるんです。これはすでに音楽の主流がジャズではなくなったことを反映しているようで興味深いです。
ちなみに私が子供心にナインスという響きを意識したのは、このようなまだジャズの匂いのしたCM曲や4ビートの「ワンダースリー」の主題歌のようなアニメ曲からだったのかもしれません。
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