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 Dec 1,2025

■桑田さんの「東京」

 世の中にはポップミュージックや歌謡曲と呼ぶには癖の強すぎる曲があって、例えば、「ヨイトマケの唄」とか「黒の舟歌」がそうですが、桑田佳祐さんのソロワークの「東京」(2002年)もそのようなジャンルに属する曲ではないかと思います。

この曲の発しているエネルギーは凄いので、聴いていて体が熱くなるようです。

一回売れてしまうと、決してその路線がら外れずに同じタイプの曲をリリースするミュージシャンに対して、桑田さんはサザンという国民的バンドに安住せずに、心の中の暗い深淵を感じさせるようなこんな曲を世に送り出したというわけです。その振幅は双極にあると言ってもよく、この曲が「マンピー」を作った人とはとても思えないのです。いや、「マンピー」も露骨な表現部分を除けば、共通のなにものかを感じるのですが。

いずれにせよ、ポップミュージックの頂点にいる人が、それまでのキャリアを棒に振るかもしれないような曲をシングルとしてリリースするのは大変な自信、そして勇気が要ったことだったと思います。けれど、その熱量はちゃんとリスナーにも届き、この曲はなんとヒットチャートの1位になったそうです。


 
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