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■ダフニスとクロエ 「潮騒」に関しては、三島由紀夫の作品の中で異色作であることは以前に書きましたが、三島自身がこれから着想を得たと述べている「ダフニスとクロエ」を読んでみました。 なるほど、「潮騒」で有力者の息子が初江を襲おうとするプロットは「ダフニスとクロエ」にすでにあったのですね。待ち伏せしている時に襲撃されるのが蜂と犬という差はありますが。また、登場人物ではダフニスに性の手ほどきをする人妻や、ダフニスをどうしてもものにしたいゲイの男など、性に関して驚くほど奔放な印象です。 「ニンフ」という言葉が良く出てきますが、これは山や木や川などに宿る精霊とのことで、日本の神道の「八百万の神」の考えとすごく似ていると思いました。子供に羽が生えていて、弓矢を持っている「キューピッド」の原型もこの作では「エロス」という名前で登場していて、ポップミュージックに登場するような概念のルーツもやはりギリシャ発なのだなと思いました。 結末はあえて書きませんが、吉屋信子の少女小説などにもよくある展開です。
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