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■CM音楽

 
CM音楽というと、商品を売るための商業音楽という位地付けでレコードの世界に比べ一段低く思われがちで
すが、それは大きな誤りでしょう。ひょっとすると一番プロとしての技量が試されるのがこの世界かもしれませ
ん。 

そもそも私が音楽の世界に入って初めてやった仕事らしい仕事はCM音楽でした。CMというのはまず最初に商
品ありきですので、音楽はいわばそれを引き立たせるようなものでなくてはなりません。つまり、クライアントの
意向に沿えるようにありとあらゆる音楽に精通していなければ仕事として成立しないのですな。歌唱のみにして
も初見は最低限必要ですし、現場で大きく変更になるなんてこともめずらしくないことです。限られた時間しか
ない現場で、瞬時の判断力やアイデアが要求される極めてスリリングで、プロフェッショナルな仕事なのですよ。

私がCM音楽を頻繁にやっていたのは1980年代前半ですが、その中でもボーカルでよく呼んでいただいた故・
井上大輔さんは忘れられない人ですな。私は人の書いた曲をスタジオで歌うという経験はほとんどなかったの
でCMは貴重なボーカリストとしての勉強の場でもあったわけです。そう、思えば私はボーカルも作曲も編曲も
全て物事が動き始めてから現場で鍛えられたような感じだったのですな。

私はこの初期のCM音楽製作において机上では学ぶことのできない多くのことを身に付けたような気がしていま
す。ボーカリストとしての曲の把握のしかた、和声の並べ方などプロの現場で短期間に、しかもなかば強制的
に学習しなければならなかったことはラッキーな経験でした。

当時、私がやったCMの中で現在も使われているジングルがあります。会社などからアクセスしている方は
音量に気をつけてくださいね(笑)。 
これ

                                                          2002/7/29

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